亜急性甲状腺炎と診断されました。どんな病気ですか?

甲状腺が破壊されて血液中の甲状腺ホルモンが高くなる病気です。症状の特徴は甲状腺の部位の強い痛み、発熱、血液中の甲状腺ホルモンの上昇の3つです。かぜ症状が先にあって、しばらくして発病することもしばしばみられます。

原因は何らかのウイルス感染によるものと推測されていますが、原因となるウイルスは見つかっていません。典型的な経過としては、まず甲状腺の右側または左側のどちらか一方に非常に硬い甲状腺の腫れが現れ、その部位に強い痛みを伴います。それと同時に、38度以上の発熱がみられます。そして、甲状腺機能亢進症(中毒症)による症状を伴います。

その後は、甲状腺の腫れと痛みは発病時と反対側に移動し、最終的には治療をしなくても数か月をかけて治癒します。血液中の甲状腺ホルモンは下の図のように変動します。また、炎症の有無を調べるCRPという項目が高くなるのが特徴です。バセドウ病で高くなるTSHレセプター抗体も高くなりません。ほとんどかぜと区別できないくらいの軽い痛みと微熱だけの場合や、甲状腺機能亢進症の症状がはっきりしないなど典型的でない方もしばしばみられます。

亜急性甲状腺炎

治療をしなくても最終的に治ると説明しましたが、症状は非常につらく、できるだけ早期に症状を取るために通常は治療を行います。痛みやその他の症状の程度が軽い場合は、非ステロイド性消炎鎮痛剤を内服しますが、通常は副腎皮質ステロイド剤を内服します。副腎皮質ステロイド剤を内服すると、ほとんどの場合1 – 3日で発熱、甲状腺の痛みは無くなり、甲状腺の腫れも急速に小さくなります。症状が落ち着いていれば、ゆっくりと副腎皮質ステロイド剤の内服量を減らしてゆき、最終的に投薬を終了します。薬の減量が早すぎると、再度痛みや熱が出てきますので、減量は慎重に行います。

治癒後に甲状腺ホルモンが正常の状態に戻っていればその後の通院の必要はありません。時に、治癒後も甲状腺機能が完全に正常に戻らずに、甲状腺ホルモンの不足する状態が続く時があり、この場合は甲状腺ホルモン剤を内服します。