Q5 甲状腺にしこりができて、腺腫様甲状腺腫(せんしゅようこうじょうせんしゅ)と診断されました。どんな病気ですか?

A5 甲状腺にいくつも結節(しこり、こぶ)ができる病気です。

[解説]

できている結節の多くは厳密な意味での腫瘍ではなく、過形成と呼ばれるものです(ただ、実際の診療では腫瘍と過形成の区別はあまり明確なものではありません)。結節ひとつひとつを腺腫様結節、複数個の腺腫様結節をまとめてひとつの病気として腺腫様甲状腺腫と呼んでいますが、厳密に区別しているわけではありません。通常は特に症状は無く、よほど大きくならない限り、声がかすれたり、ものを飲み込みにくくなる原因にはなりません。

良性の病気で基本的には治療をせずに経過を見ることになりますが、次の点に注意が必要です。

  • 複数個ある結節すべてが良性とは限らず、一部ががんである場合があるので、ひとつひとつの結節を超音波検査で注意深く観察します。がんの疑いのある結節は細胞検査でさらに詳しく調べます。
  • 数%の方で甲状腺ホルモンが出過ぎる(甲状腺機能亢進症)ことがあります。この場合は甲状腺機能亢進症の治療のためにアイソトープ治療や手術をおこないます。
  • 逆に甲状腺ホルモンの分泌が少なくなる(甲状腺機能低下症)こともあります。この場合は甲状腺ホルモン剤の内服により甲状腺機能を正常化します。
  • 非常に大きくなって圧迫症状がでることがあります。この場合は手術を検討します。

がんの合併や甲状腺機能に異常がなければ心配ありません。年に1-2回、変化の有無を超音波検査と血液検査で確認します。また、結節を小さくする、あるいは大きくなるのを防ぐために甲状腺ホルモン剤を内服することがあります。

以下に該当するの場合は手術が必要です。

  • がんを合併しているとき
  • 甲状腺ホルモンの分泌が過剰になったとき(最近はアイソトープ治療が主流)
  • 甲状腺腫が大きくなって胸郭の中まで入ってきたときや、気管や食道などの周囲組織への圧迫症状が出たとき
  • 美容的な意味で甲状腺腫が目立つ場合