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広報:甲状腺の病気をお持ちの方の新型コロナワクチン接種について

2021年04月25日

ワクチン接種によって甲状腺の病気が悪化するかどうかについてですが、臨床試験データでは甲状腺の病気を含めて新型コロナワクチン接種によって慢性の持病が悪化したとする情報は入ってきておりません。

【バセドウ病の方】
甲状腺ホルモン値が非常に高い状態の場合、アナフィラキシーショックが起きた際に使用されるエピネフリン注射により不整脈(頻脈、心房細動など)の起こる可能性があります。したがって、新型コロナワクチン接種を受ける前には甲状腺機能をある程度良好にコントロールしておくことが大事です。治療開始早期の方は、抗甲状腺薬の副作用が出ていないことが確認でき、甲状腺機能がある程度改善するまでワクチン接種を控えていただく場合があります。甲状腺機能が良好な状態で落ち着いている方も最後の検査から3か月以上経っている場合は念のため接種前に受診されることをお勧めします。無断で治療を中断している方は直ちに受診してください。

【橋本病・甲状腺機能低下症の方】
甲状腺機能が正常または軽度の低下にとどまっているため、甲状腺ホルモン薬(チラーヂンS)の服用が不要で経過観察だけの方は新型コロナワクチン接種を受けていただいて問題ありません。甲状腺機能低下症に対して指示された通り甲状腺ホルモン薬を服薬している場合も、ワクチンを接種していただいて問題ありません。服薬を忘れがちの方は、しっかりと服用した上でワクチン接種を受けてください。重度の甲状腺機能低下症にも関わらず服薬を中断している場合は、ワクチン接種の効果が減弱する可能性もありますので受診してください。

【甲状腺腫瘍の方】
新型コロナワクチンを接種していただいて結構です。

甲状腺の病気を持っていることとは関係なく、過去にワクチン接種や薬剤などでアナフィラキシーが出た経験のある人は、必ずワクチン接種の予診の際にその旨を申告してください。