Q2 甲状腺腫瘍が見つかり、穿刺吸引細胞診で悪性ではないと言われました。安心してよいでしょうか?

A2 悪性の判定でない場合であっても、細胞診で鑑別困難(クラス 3)と判定される内の数%は悪性腫瘍であり、安心とは言えません。超音波検査や血液検査、腫瘍の大きさなどを考慮して手術するかどうかを判断します。

[解説]

細胞診の結果で悪性ではないと言われたということは、判定区分の正常あるいは良性(クラス1と2)または、鑑別困難(クラス 3)であったということです。正常あるいは良性の判定であればまずは安心しで大丈夫でしょう。しかし、細胞診の判定は絶対的なものではありませんので、経過観察は必要です。

問題は鑑別困難と判定された場合です。鑑別困難と判定されることの多い病気は、腺腫様甲状腺腫(良性)、濾胞腺腫(良性)、濾胞がん(悪性)の3つです。細胞診が鑑別困難の判定で、超音波検査や血液検査などから悪性の疑いがあるということで手術を受けた方の10 – 20%が実際に悪性であったと報告されています。超音波検査や血液検査などから悪性の疑いの低い方なども含めた全体では、鑑別困難の判定の腫瘍のうち実際に悪性である可能性は4 – 5%くらいであろうと言われています。なお、この頻度は手術を受けなかった方をすべて良性と考えて計算した値ですので、実際にはもう少し高いかもしれません。

悪性の検査結果が出なかった甲状腺腫瘍に対してどのような治療方針で対処すべきか、専門家の委員会で現在議論がなされており、下記に挙げた所見が認められた場合には手術を勧めるという方向で意見がまとまりつつあります。手術を行わない場合は、6か月から1年に1回程度の頻度で超音波検査や血液検査による経過観察が必要です。

【細胞診で鑑別困難と判定された腫瘍に対して手術を考慮すべき所見】
● 超音波検査で悪性腫瘍を疑う所見がある
● 血液検査でサイログロブリンが1,000ng/dl以上
● 腫瘍の大きさが4cm以上