Q2 橋本病ではどのような症状が現れますか?どのような注意が必要ですか?

A2 典型的な橋本病では甲状腺全体が硬いゴムのような硬さになり、大きく腫れてきます。橋本病の4 – 5人にひとりは甲状腺機能低下症を伴っており、この場合は顔や手がむくむ、あまり食べないのに太る、寒がり、便秘がちといった症状が現れます。

[解説]
橋本病の症状は甲状腺の慢性炎症による甲状腺の腫れと、甲状腺機能低下症による全身的な症状とに分けられます。

甲状腺に対する自己免疫により、免疫担当細胞であるリンパ球が甲状腺内に入り込み、びっしりと球状に集まってリンパ濾胞と呼ばれる塊を作ります。また、甲状腺細胞の集合である濾胞と濾胞の間の結合組織が増殖します。これは線維化とよばれ甲状腺は硬さを増します。これらの変化の結果、甲状腺は硬く腫れてきます。

甲状腺の腫れはびまん性と呼ばれる甲状腺全体が大きくなる腫れ方で、その大きさはほとんど健康な方と変わらない方もあれば、通常の20倍あるいはそれ以上の大きさにまで腫れてくる方があります。典型的な場合は、硬いゴムのような硬さになります。逆に、免疫反応の出かたの違いにより、正常の大きさよりも縮んでしまうことも時にあります。

さらに、甲状腺細胞の性質が変化し、甲状腺ホルモンを合成、分泌する機能が低下してゆき、甲状腺機能低下症が現れます。甲状腺ホルモンが不足すると、多くの臓器で新陳代謝が低下し、エネルギー消費が少なくなり、体温も少し下がります。その結果、顔や手がむくむ、あまり食べないのに太る、寒がり、便秘がちといった症状が現れます。

ただ、橋本病の方のうち甲状腺機能低下症になるのは4 – 5人にひとりで、残りの方の甲状腺機能は正常に保たれており、甲状腺機能低下症の症状は現れません。また、甲状腺機能低下症を伴っている方でも、甲状腺ホルモンの低下が軽い場合は全く症状を訴えない方も多く、橋本病が見逃されやすい理由のひとつになっています。