Q19 バセドウ病は心の状態にどのように影響しますか?

A19 甲状腺ホルモンの過剰は、気分が沈んだり、不安感でいらいらしやすくなる原因になります。治療で甲状腺機能が低下しすぎても同じような状態になりやすくなります。

[解説]
まだ甲状腺機能亢進症が十分にコントロールされておらず、甲状腺ホルモンの過剰がつづいている時期には、気分が沈んだり、不安感でいらいらしやすくなります。一方、治療によって、かえって甲状腺ホルモンが下がりすぎても同じように気分が沈んだり、不安感でいらいらしやすくなり、長期間放置されるとうつ病になりやすくなります。いずれの場合も甲状腺機能異常だけがその原因であれば、甲状腺機能が正常化すれば回復します。

ところが、甲状腺機能が正常化してからも、気分が沈んだり、不安感でいらいらしやすい、といった状態の続く方がかなりあります。これはバセドウ病になる前からの性格や、日々のストレスが関係しています。このようなストレスは生活の質を落とし、バセドウ病を悪化させる要因になります。

このような場合には症状の程度にもよりますが、甲状腺の担当医と相談して、心療内科あるいは精神科受診を考えてみましょう。うつ病を合併しているような場合もあり、夜眠れない、何もする気が起きない、毎日が楽しくないというような症状の場合は、特に受診が勧められます。抗うつ薬による治療により、抑うつ、不安症状が改善するとバセドウ病そのものが良くなって抗甲状腺薬を中止できる方もいます。軽いいらいら程度の場合は抗不安薬などが処方されることも多いのですが、長期間連用はせずに頓服程度にしておいた方が無難でしょう。

まわりに気を使い過ぎて感情を押さえ込んだり、合理的に割り切って行動することができなと、ストレスがたまってバセドウ病が治りにくくなります。このような性格の方は心療内科医や臨床心理士にカウンセリングを受けて対処の仕方を身につけることにより、バセドウ病の病状改善につながることが期待されます。家族や友人の中に何でも話せる人がいればそれでも構いませんが、知人だとつい気を使ってしまって本心が話せないことがよくありますので、その場合は心療内科医や臨床心理士にかかることも検討してみてください。